ファイトケミカルの免疫力強化作用

免疫力を強化するとはどういうことでしょうか。具体的には3点あります。

  1. 免疫細胞の数を増やす
  2. 免疫細胞を活性酸素の攻撃から守る
  3. 免疫細胞を活性化してその働きを高める

免疫細胞というのは、いわば兵隊です。兵隊の数を増やし、兵隊の防具をととのえ、兵隊を訓練して強化する。それが兵力強化、すなわち免疫力を強化するということなのです。

①免疫細胞の数を増やす

免疫細胞の数を増やすファイトケミカルは、イソチオシアネートオイゲノールです。いずれも香気成分なのでニオイが強いほど効果を発揮します。

イソチオシアネートは細胞を破壊することで生まれる硫黄化合物で、異常化した細胞の増殖を抑える働きがあります。にんにく、大根、ワサビなどは、すり下ろして細胞を破壊しないとニオイが出てきません。こういった食材は、いちどすり下ろしてから摂取するようにしましょう。

また、キャベツやブロッコリーの場合は、摂取したあと体内で消化しているときにイソチオシアネートに変化します。ちなみにイソチオシアネートの効果ランキング1位はキャベツです。

バナナの香気成分であるオイゲノールは、ガン細胞を殺す免疫細胞を増やす働きがあります。熟したバナナのほうが多くのオイゲノールを含んでいます。なるべく熟れた状態で食べるのがオススメです。

②免疫細胞を活性酸素の攻撃から守る

抗酸化作用の働きによって免疫細胞を完全ガードしてくれるファイトケミカル。それがシステインスルホキシド類と、アントシアニンなどのポリフェノールです。

システインスルホキシド類は、タマネギやニンニクに含まれています。ポリフェノールは、植物の色素やアクなどの成分で、いずれも免疫細胞を活性酸素の攻撃から守る働きがあります。

これらのファイトケミカルを摂取しないのは、兵隊を丸裸のまま戦地に向かわせるようなものです。まずは、相手の攻撃に耐えられる鎧(よろい)を身に着けてあげましょう。

③免疫細胞を活性化してその働きを高める

ニンジンなどに含まれるβ‐カロテン、キノコに含まれるβ‐グルカン、海藻類などから摂れるフコイダンなどは、免疫細胞を活性化する働きがあります。

活性の度合いについては、ガン細胞を自殺させる腫瘍壊死因子(しゅようえしいんし)の産出量が基準になります。おおざっぱに言うと、ひとりの兵隊でどれだけの敵を倒すことができるのかということです。

さきほどのイソチオシアネートオイゲノールにも免疫細胞を活性化する働きがあります。そして、とびぬけて活性度が高いのは、白菜に含まれるグルコブラシシンです。

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